海外で年越しを楽しもう!
今日は12月31日です。
冬の旅の楽しみはどこでカウントダウンをするかということです。
今回のアフリカの旅では、ヨーロッパの大都市で盛大に祝うようなカウントダウンは期待できません。
そこで、今回の東アフリカの旅では、カウントダウンよりも1月1日にどこで何をするかということを優先して考えることにしました。
そして、私はキリマンジャロ山と共に初日の出を見ることにしました。
キリマンジャロ山は、標高5895mの高さがあります。
アフリカ大陸の最高峰かつ火山として海抜世界一、また単独の山岳として世界一の高さを誇っています。
エベレストもヒマラヤ山脈の一部分ですので、単独の山岳ではありません。
午前中にキリマンジャロ山にとても近い町モシまでマタツで行くことにしました。
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モシ
キリマンジャロ山への登山をする際は、モシが基点となります。
小さな町という印象ですが、人口は18万人もいます。
その中心は、チャガ族です。
また、かの有名なキリマンジャロコーヒーの産地です。
モシに着いた後は、今日宿泊する宿をすぐに決めました。
それから、キリマンジャロが見えるところまでの行き方を確認しに行きました。
そして、何よりもモシという小さな町で、一番楽しめるカウントダウンの場所を町の人に聞きに行きました。
カウントダウンはクラブで♪
色々と聞き歩いていると、「クラブが一番楽しくて、盛り上がるよ」という情報をもらいました。
夜になって、そのクラブに行きました。
リキュールをいただきながら、アフリカ人の中で一人だけアジア人の私が踊っていました。
そのためか、歓迎してくれました。
カウントダウンの際は、周りで踊っていた人達と乾杯をして、大いに楽しみました。
小さな町でのカウントダウンでしたが、思い出に残りました。
夜中の2時頃に町を歩いてみると、花火をしたり、大音量をかけて車を走らせたり、それぞれの楽しみ方をしていました。
また、私はチケットが取れなかったので行きませんでしたが、モシでは野外フェスでのカウントダウンイベントがあり、夜中になっても盛り上がっていました。
アフリカでの元旦
夜が明けて、まだ皆が寝静まっている頃に、私はホテルを出て、キリマンジャロ山を拝みに行きました。
快晴で見晴らしが良いため、霊峰キリマンジャロ山の全貌が見られました。
「輝く山」という名のキリマンジャロ山は、霊験あらたかな山だと思いました。
キリマンジャロコーヒー
ホテルへ帰る途中、オープンしていたカフェを見つけたので、本場のキリマンジャロコーヒーを飲みました。
キリマンジャロコーヒーは世界中に愛飲家がいるので、品質の良い豆は欧米や日本などに輸出されてしまうそうです。
でも、違いの分からない私は、本場のおいしいキリマンジャロコーヒーを堪能することができました。
酸味が多いため牛乳をたくさん入れるのが一般的です。
ティンガティンガ
タンザニアのポップアートとして有名なティンガティンガのアトリエを見つけました。
動物や自然を色鮮やかに描いているのが特徴ですね。
その後、ホテルに戻り朝食を済ませ、10時にチェックアウトしました。
モシを10時半に出て、12時過ぎにはアルーシャに戻りました。
マタツの運転手の殴り合い
アルーシャからケニアの国境の村ナマンガまで戻ることにしました。
さて、ナマンガ行きのマタツは、複数台同じ場所に集まっているものです。
私がマタツに近づくと、車掌らしきタンザニア人の男性が「どうぞ、これに乗って」と誘導してくれました。
私は言われた通りに、そのワゴンに乗り込みました。
それからしばらくして、私の乗っているマタツの前で先ほどの車掌と、別のマタツの車掌が口論を始めました。
先ほど書いた通り、同じ方向に行くマタツは、同じ場所に停車しています。
マタツ同士で客の取り合いにならないように、1つのマタツが客でいっぱいになって出発してから、次のマタツに客が乗り込むような暗黙のルールがあるそうです。
そのルールがあるにもかかわらず、2台目に出発するマタツに私を乗せたので、言い争いが始まったのです。
『私のために争うのはやめて~』と思っていると、目の前で殴り合いのケンカが始まってしまいました。
筋肉質で体つきの良い、アフリカ人同士のケンカは近寄りがたいものでした。
すぐに周りの人達が2人を引き離したので、事態は収拾に向かいましたが、暴力に発展してしまうところにとても驚きました。
さて、私の乗ったマタツは、新しく、故障の心配がまったくなさそうなワゴンでした。
6000Dsh、およそ600円で乗りました。
行きは4時間掛かったのに、それよりもずっと速い、2時間で国境のナマンガに到着しました。
マタツで長時間移動するのは心身共に疲弊するので、移動時間が短縮できると、とても嬉しいです。
午後2時半には、ケニアに再入国しました。
次の目的地は、エチオピアです。
数日前に買った飛行機のチケットは、ナイロビ発エチオピア行きだったのです。
明日の午後ナイロビからエチオピアに飛ぶのですが、あまり早くにナイロビに着いても、危険なだけです。
そのため、ナイロビは翌朝向かうことにして、今日は国境のナマンガに泊まることにしました。
こんなに明るい時間帯からのんびりできるのは、旅先では珍しいことです。
国境なので宿はわずかしかありません。
その中で、安いロッジを選びました。
部屋に行くとテレビがありました。
ケニアの人はどんなテレビ番組を見ているのだろうと、テレビをつけると、どのチャンネルもいわゆる砂嵐の状態で、何も見られません……。
洗濯日和
とても日差しが強いので、数日間はき続けたジーパンなどを洗濯することにしました。
もちろん手洗いです。
さて、どこに干そうか迷いました。
部屋にはハンガーもなく、そしてベランダもありません。
すると、自分のロッジの前の生け垣を見つけました。
『この暑さなら生け垣に洗濯物を掛けておけば、乾くだろう』
そう思って、洗濯したら、その木の垣根に引っ掛けることにしました。
どうせ今日は移動しないので、洋服は全部洗いました。
恥ずかしながら、洗濯後に上は裸で、下はシャツ2枚を結び、人に見られないように外に出ました。
肌の色が違う私は、アフリカの人達から肌を見られるのが妙に恥ずかしくなりました。
そこで、周囲に誰もいないタイミングを見計らって、私は外に出て、そそくさと洗濯物を干し始めました。
すると、どこからともなく、ドドドドド……!
物音が聞こえます。
聞き慣れないその音が、どこから聞こえてくるのか分かりません。
この音はいったい!?
何かが近づいて来るみたいです!
誰かがこっちに来るのでしょうか!?
『誰かに見られたら恥ずかしい!』
そう思い始めた時のことでした。
ドドドドド!!!!
私のすぐそばを2羽のダチョウが駆け抜けて行ったのです。
2羽のダチョウは、共に体長が3メートルぐらいあります。
私は目が点になって、呆然と2羽のダチョウを見送りました……。
野生のダチョウが駆け抜けて行くなんて、アフリカならではですね。
夕方になって、『ダチョウを写真に収めたい』という気持ちが強まり、探しに行きました。
するとロッジの裏に2羽のダチョウを発見しました。
あとで、ロッジの主人に聞くと、「あれは、野生のダチョウだよ。このあたりで暮らしているみたいなので、よく見かけるんだ」と教えてくれました。
夕方に撮影した写真は、写りがよくなかったので、翌朝改めて探しに行ったら、運良くもう一度出会うことができました。
右の写真はその時の画像です。
警戒されないよう、遠くから撮影しました。
とても暗いレストラン
夜になり、ナマンガでレストランを探しに行きました。
ケニアでは、ホテルでもないのにレストランを「ホテル」と言うことがあります。
どこのレストランも暗く、入店するのをためらってしまいます。
扉もない、簡素な造りの暗いレストランに私は入店しました。
店内はとても静かで、物音1つしません。
レストランの奥でアフリカ人の男女が食事をしていますが、静かに食べています。
とりあえず、私は席に座ってみました。
すると、店の奥からご主人が現れ、私の席のランプを点けてくれました
オイルランプのようです。
私の席の周りだけ、温かい光に包まれました。
メニュー表はないので、ご主人にメニューを教えてもらいました。
とても静かな声で教えてくれたメニューの中で、ライス、ビーンズ、そしてマツンボという煮込み料理を注文しました。
全部で50Ksh(50円くらい)です。
ご主人は厨房に戻って作業を始めたのですが、厨房も暗いのです。
雰囲気作りなのか、省エネなのか、それともこういうお店が一般的なのか分かりませんでした。
味は、ライスは香ばしくておいしかったですし、マツンボも牛肉の内臓が煮込んであって、よく味が出ていました。
とってもおいしかったので、もう一度まったく同じメニューを注文し、いただきました♪
ナイロビ空港へ
翌朝8時に老朽化したマタツでナマンガからナイロビの空港へ向かいました。
空港で降りるつもりが見つからず、気づいたらナイロビの町に着いてしまいました。
危険なので、マタツを降りて、すぐにマタツ乗り場で次のマタツを探し始めました。
この付近も、犯罪の起きそうな空気が漂っています。
マタツの運転手に『このマタツはナイロビ空港に行きますか』と聞くと、「行くよ」と言われたので、すぐにナイロビの町中を抜け出すことができました。
それから数十分後、空港がまったく見えない場所でマタツは停まり、「ここから歩いていけば空港だ」と言われ、私は降ろされてしまいました。
空港にはまだほど遠い道端で降ろされたので驚きましたが、アフリカ人の感覚だと遠いとは感じないのでしょうか。
飛行機の出発までにまだ5時間もあったので、『よしっ、目の前のサバンナを突っ切って、空港まで歩くぞ!』と決意して、他のマタツを待たずに歩き出しました。
大平原に自分一人しかいませんので、ヘッドフォンで音楽を聴きながら、はばからずに熱唱しました♪
旅先で大声を出せることなんてありませんし、こんなに広い場所で歌えるなんて、なかなか気分の良いことです♪
周囲には人っ子1人いません。
それから1時間以上が経ちました。
50メートルほど離れたところに青と黄色の一羽の鳥を発見しました。
その鳥は、何かに留まっています。
『あの鳥、何に留まっているのだろう?』
目を凝らしながら、近づいていくと、鳥は飛んで行ってしまいました。
でも、鳥よりも、鳥が留まっていたところの方が気になりました。
何でしょうか、あの物体は……。
そして、15mほどの距離まで近づいたとき……
『 しっ、しっ…シマウマが食べられている!!』
どこぞやの野獣がシマウマを捕食したようで、シマウマの姿は無残な姿となっていました。
どんな生き物に食べられてしまったのでしょうか!?
というか、ここは、もしかして超危険地帯なのでは!?
怖れおののき、そこからは猛スピードで大平原を逃げ、空港まで走って行きました。
あとで分かったのですが、ここにはライオン、チーター、ヒョウなどの肉食獣が生息しています。
無事にナイロビ国際空港に着いた私は、夜にはエチオピアのアディスアベバ空港に着きました。
乗り継ぎの飛行機は翌朝7時半です。
すでに夜9時過ぎなので、アディスアベバ空港で眠ることにしました。