日本と海外のタクシー料金の仕組みの違いを知っていますか?
日本のタクシー料金は、タクシーの窓に初乗り料金が書いてあり、一定の距離を走るたびにメーターが上がっていく料金体系です。
しかし、このような料金体系を採用している国は意外と限られています。
では、他の国々では、どのようにタクシー料金が決まるのでしょうか?
その答えは、タクシーに乗る前の料金交渉で決まるのです。
事前に料金交渉をしないと、後で法外な金額を請求されることがありますので、気をつけましょう。
基本的に私はタクシーで移動するのを避けていますが、タクシーに乗らざるを得ないことがあります。
その際におこなう料金の事前交渉のコツをここでお教えします。
トゥクトゥクやオート・リクシャーなどの料金交渉も同様です。

アンコールワットのトゥクトゥクの運転手さん
①相場を知る。
まずは、ガイドブックなどでその国のタクシー料金の相場や、チップが必要かどうか知っておきましょう。
また、ガイドブックによっては、主要な移動料金が記載されていることがあります。
(例)○○駅から△△寺院までのタクシー料金は10ドルから12ドルくらいかかります。
②客引きをするタクシーには基本的に乗らない。
客引きをするタクシー運転手は、商売っ気が出ていて、旅行客のあなたからたくさんのお金をもらおうとしています。
威圧的な運転手もいます。
あとでトラブルに巻き込まれそうな予感がしたら、絶対に乗ってはいけません。
事前に料金交渉をしても、降車時に支払う際に、別料金を請求されることがあります。
③客引きをしていないタクシーの運転手に料金を聞く。
客引きをしていないタクシーの運転手はけっこう大人しいです。
大人しそうな運転手を見つけたら、そのタクシーに近づきましょう。
そして、タクシーに乗り込まずに、運転手に行き先を伝えましょう。
そして、料金を聞きます。
この際に、とりあえず「車に乗って」という運転手は安全な人ではありません。

盧溝橋で乗った輪タク
④料金が思っていたよりも高ければ、あっさりとあきらめる。
ここで、値切ろうとしないのがポイントです。
例えば、ガイドブックに記載されていた相場の3倍だったとします。
そこで、あなたが『相場の3倍です。もっと安くしてほしい』というようなことを言います。
すると、運転手は「去年くらいまではそうだった。でも、最近この国の物価は急激に上がったからね。だから、タクシーの料金も3倍になった」と言ってきます。
世界中どこでも、タクシー運転手がこのようなことを言うのを聞きました。
中には、日本語で書かれたガイドブックをのぞきこんできて、その料金の数字を見て、「それは何年も前の料金だ」とあきれ顔をする運転手もいます。
でも、信じる必要はありません。
まともに値段交渉はしなくていいのです。
あくまでもあっさりとその場を去りましょう。
⑤そのタクシーから離れて、他のタクシーを探す。
さっきのタクシーには目もくれません。
⑥さっきのタクシー運転手があなたに近づいてくる。
そして、「○○までいくらで行きたいのか?」と聞いてきます。
⑦あなたは自分の払える金額を伝えよう。
ガイドブックを見れば、タクシー料金の目安が書いてあることが多いです。
その料金を伝えましょう。
⑧払いたくないような高い料金であれば、まだ交渉しない。
タクシーの運転手は「そんなに安い料金では行けないよ」とあきれることが多いです。
『それなら結構』とばかりに、すぐに他のタクシーを探し始めましょう。
料金が高いからといって、あなたが怒ってはいけません。
澄ました顔して、その場から離れましょう。

ダッカのサイクル・リクシャー
⑨少し経つと、さっきのタクシーが戻ってくる。
5分くらい掛かることもあります。
そして、「わかった!君の言う金額でいいよ。乗りなさい」と言います♪
さあ、やり方は分かりましたか?
このやり方で、私はいつも現地料金で乗ることができました。
高いタクシー代を請求するタクシー運転手と直接交渉するのではなく、安く乗れる別のタクシーを探すのがポイントですね。
値段交渉をせず、あっさりと別のタクシーを探すあなたを見て、そのタクシー運転手は、「他のタクシーに客を奪われるよりは、通常料金で(あなたという)客を乗せたほうがいい」という考えにたどり着くのです。
早く料金交渉を済ませたい時は、複数のタクシー運転手に同じような働きかけをしましょう。
その中の1人の運転手が、あなたの望む料金で乗せてくれますよ。
⑩値段交渉は事前にしますが、支払いは降りる時にする。
理想を言えば、支払いについては、おつりが発生しないように、ぴったりのお金があるといいですね。
まれに、何かしら理由をつけて、おつりの分ももらおうとする運転手がいます。
理由は、色々あります。
・「荷物が多いから」
・「深夜料金だから」
・「○○という場所は、その後お客がつかまらない場所だから、○○に行くお客からは特別な料金をもらうものだ」
・「移動途中で窓から見える風景を説明してあげただろう。だから、チップを払ってもらう」
⑪おつりが発生する場合には、支払い前に運転手に料金を告げる。
例えば、事前交渉で25ドルを支払うことになったとします。
しかし、あなたにはぴったりのお金がなく、30ドルをまず渡さなければならない。
その場合、目的地に着いて支払う際に『料金は25ドルですが、私は30ドルを渡します。よって、5ドルのおつりをください』と言います。
これでうまくいきます。
もし相手が事前に決めた料金よりも高い金額を請求してきたら、こちらも30ドルを渡すことをやめましょう。
そして、運転手が5ドルを用意するのを待ってから、30ドルと5ドルを交換しましょう。
これで無事にタクシーでの移動は終了です。
「ここまで警戒しなくても良いのでは?」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、たくさんの国を旅していると、ここまで警戒しないといけないこともあります。
タクシーで法外な金額を支払わされると、とても不愉快な思い出ができてしまいます。
今のコツは、世界中のどこに行っても使えるものですので、ぜひ参考にしてみてください。
※ここに掲載した画像の運転手さんたちは、みなさんとても親切でした。